最近注目されている記事があります。
非常に痛ましい事故です。ため池での水難事故は本当に多い。
これからの季節、ため池に近づく機会は増えるかもしれないので、マジで対策が必要です。
そこで今回はこんな問題を取り上げます。
この問題は非常に根深い。
だけど命が助かる可能性が上がるなら、取り組む価値があると考えます。
有効策についても深堀していきたいと思います。
ため池水難事故はなぜ起きる?
夏になるとよく聞く、水難事故。
その中でも、「ため池で水難事故がありました」というニュースを聞いた事があるかと。
でもなぜ、ため池程度で水難事故になるのだ?
そう思っていました。
ため池って、こういうイメージです。
- 池のサイズもあまり大きくない
- 水面までの高さも低い(ダム湖のように崖になってない)
- ため池なので流れもないはず
こういうイメージを持っている人が多いのでは。
このように、ため池って一見かなり安全な気がするんですよ。
でもその考えは誤り。
現実はこうです。
これに気が付いたのは、最近話題になった記事のおかげです。
コンクリ護岸×すり鉢状のため池の恐ろしさ
ため池と言っても色んなタイプがあります。
護岸は土状のものやコンクリタイプ。
階段があったり凸凹があったり。
完全に自然に囲まれた野池なども。
このように地域やため池の用途、成り立ちによって様々です。
でもyahooの検証記事では超危険なタイプのため池がある事が明らかに。
一般法人水難学会という組織が、なぜため池で水難事故が起きるかを検証しています。
さて、この検証が明らかにしたのはコレ↓
コンクリート護岸で、すり鉢状のため池は脱出困難
コレです。
そんなバカな?と思うじゃないですか。
下記の動画をみてください。
大人の成人男性がマジで水中から脱出できなくなるわけです。
危機的状況への移行が早すぎてヤバい <靴底に水が付いた時点で、池に引き込まれる>
命の危険に陥る程の危機には大抵、そうなるまでのステップがあります。
言い換えると、猶予があるという事です。
例えば、自動車事故なら
- 遅刻しそうで急ぐ
- 焦って自動車を運転する
- 信号が黄色だけどスピード出せば渡れる
- 左右の確認を怠る
- 対抗右折車とぶつかる
- 事故発生
このようなステップでじわじわと事故につながるのです。
一方で、今回のため池の水難事故はどうでしょうか。
- 池に釣りにいく
- 水辺に近づく
- 靴底に水がつく
- 落水 ⇒ 脱出困難
一概に比較はできませんが、ため池の水難事故は命の危険に至るまでのステップが早すぎるのです。
命の危険までのステップが多いほど「これは危ないかも」という気づくチャンスがあります。
交通事故の例では2や3等のわりと早い段階で「ヤバいかもしれない」と薄々気づけます。
しかしため池の事故では、4の段階になるまで「ヤバいかも」とすら思わないのでは。
ため池の事故は、靴底に水がついた時にはもう滑りやすくなり、そして落水してしまうのです。
そして落水後は、コンクリについたコケや泥の影響で踏ん張りがきかず脱出不可。
これは軽視すべきではありません。
誰にでも起こりうるし、明日は我が身です
ではどう対策をしたら良いのか。
ロープを使うのが上策だが・・・・
一般法人水難学会の記事は素晴らしい事に解決策を記載しています。
それはロープを使って救出することです。
人が手を差し伸べて、救出しようとするとその人も落水するので危険とあります。
なので、他者がロープを投げ入れ安全な位置から引っ張り上げるのです。
しかしコレは、溺れてるヒト以外にロープを投げ入れてくれる人がいれば有効。
雲行きがあやしくなってきました・・・
そう、私のような釣り人は一人で釣りに行くことがあります。
という事はだれもロープを投げ入れてくれない。これ非常にヤバいのでは?
そこで解決策を考えてみました
カギ縄式の脱出ロープを常備せよ<案>
ロープが有効な手段であることは一般法人水難学会が示してくれました。
自分一人しかいない場合ですり鉢状のため池に落水した場合、どうするか。
カギ縄式の脱出ロープが有効なのでは?と考えます。
コレです。
これは自作で農業用ロープの先にチェーンを付けています。
チェーン自体に重さがあるので10~15mは投げることができると思います。
これを投げて岸のどこかに引っ掛けるのです。
木でも枝でも、岩でもなんでもいい。
足の踏ん張りの代わりになりそうな、最低限の強度を保てそうな場所に投げるのです。
そう思うかもしれません。
しかし、すり鉢状のため池は段階的に深くなるものです。
一般法人水難学会の動画を見ると、腰を水面に上げようとするあたりから水中に押し戻されてます。
言い換えると、腰くらいの高さまでは水中で立てるのです。
なので無理に上がろうとせず、まず上半身を使ってカギ縄式ロープを投げる事は可能だと思われます。
そしてカギ縄式ロープを岸の岩、木や構造物に引っかけてロープを伝って脱出を図る。
一台二役のカギ縄式ロープ
このカギ縄式ロープは自分を脱出時に使うだけではありません。
もうひとつの役目があります。
ルアー釣りをしているとルアーが水中に引っかかることがあります。
ルアーは高価なので、回収するためのアイテムとしてカギ縄式ロープを使うのです。
このようにカギ縄式ロープは救助だけではなく、普段の釣りにも使えます。
ふだん使わないアイテムはいざというときに持っていない可能性が高い。
しかし根がかかり回収機としても普段から使ってれば、危機の際も身近に持ってる可能性大です。
これ一つで自分も助かるかもしれないし、誰かの命を助けることができるかもしれない。
ちょっと長くなりましたので、作り方は別記事で記載したいと思います。
(※安全を確保したうえで、検証できれば有効性も試したいところです)
まとめ
何度も言いますがこの危険性を軽視してはいけません。
「自分はそんな事にならない」そう思ったときから、水難事故に近付いています。
このすり鉢状のため池では、何名もの方が亡くなっています。
これは「すり鉢状のため池」特有の問題とも言えますが、それに類似する状況というのは意外とあります。
つまり学べることはたくさんあるわけです。
固有の事象と切り捨てず、この事故から自分が学べる対策は無いか?
そう考えるのが大事だと言えます。